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電子タバコに発がんリスクはある?―最新研究でわかってきたこと

 

1. 「煙が出ないから安全」は誤解です

最近は「煙が出ないから安心」「タールがないから害が少ない」として、電子タバコや加熱式タバコを選ぶ方も増えています。
しかし、電子タバコにも発がん性物質が含まれる可能性があることが、国内外の研究で報告されています。
つまり、紙巻きより“マシ”であっても、“安全”とは言えません。

2. 電子タバコの仕組みと発がん物質

電子タバコは、ニコチンや香料を含む液体(リキッド)を加熱して、蒸気(エアロゾル)を吸入します。
この加熱の過程で、以下のような発がん性を指摘される化学物質が発生することがあります。

成分 健康への影響
ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド 発がん性が確認されている化学物質
ニッケル・鉛などの金属粒子 長期的に吸入するとDNA損傷のリスク
香料由来の揮発性化合物 呼吸器障害や細胞ストレスに関連

3. 最新の研究から見た「がんリスク」

  • 電子タバコの蒸気から、発がん性アルデヒド類や金属粒子が検出されている。
  • DNA損傷を反映するバイオマーカーが電子タバコ使用者で上昇している。
  • 動物実験では、長期吸入で肺や膀胱に腫瘍形成がみられた報告もある。
  • ただし、ヒトでの長期発がんリスクはまだ確定していない。

つまり、「まだわからない」=「安全」ではなく、将来的なリスクを否定できない段階です。

4. 紙巻きよりは少ない?それでもリスクゼロではない

国立がん研究センターによると、電子タバコ・加熱式タバコは紙巻きよりも有害物質が少ない傾向はあるものの、
「発がん性物質を含み、長期影響は不明」と明記されています。
また、「紙巻き+電子の併用」では有害物質の吸入量が減らないことが多く、かえって健康被害が続くケースもあります。

5. WHO・国立がん研究センターの見解

  • WHO(世界保健機関)
    電子タバコの蒸気には発がん性化学物質が含まれ、心肺系への悪影響も確認されています。禁煙を目的とする場合は、医療的支援を受けるべきとしています。
  • 国立がん研究センター(日本)
    「加熱式・電子タバコにも発がん性物質が含まれる可能性があり、長期影響は不明」と明記。
    ▶︎ がん情報サービス:たばこと健康

6. 禁煙を考えている方へ

電子タバコは禁煙の補助にはなっても、治療ではありません。
本気でやめたい方は、禁煙外来で医師と一緒に計画的に進めるのが最も確実です。
保険診療でのニコチンパッチ・内服治療などを使うと、成功率が大幅に上がります。

まとめ:電子タバコも「無害」ではない

  • 電子タバコにも発がん性物質が含まれる
  • 長期的な発がんリスクはまだ不明だが、安全とは言えない
  • 紙巻きよりリスクは低い可能性はあるが、ゼロではない
  • 最も安全なのは、完全にやめること

参考情報

この記事は最新の科学的知見をもとにまとめた一般情報です。
禁煙を希望される方は、医療機関での禁煙外来相談をおすすめします。